CANDLE CAFE & Laboratory ΔΙΙ

Juno Mizobuchi 「The landscape in the making」
EXHIBITION
Juno Mizobuchi 「The landscape in the making」
私は風景を描いている。
風景というイメージの先にはモノ ( 物 ) があり、
それはまた風景へと繋がっている。

今回私は、砂浜で拾った木片を使って制作をすることにした。

地上から木は海へ放り出されて、
流されて転がされて、小さくなって帰ってきた木片。
いずれは粉になって海へと溶けて、
それもいつかは風景になる。

Juno Mizobuchi
PROFILE
Juno Mizobuchi
1992年香川県生まれ。京都精華大学卒業。
主に絵画作品を制作する。作品展示、アートワークの提供、壁画の制作などを行う。
単純で小さな行為により、現在の自分を感じる作品を制作する。

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風景画、風景写真や、例えば実際に高所から見下ろした俯瞰の風景など、〈風景〉というものを想像した時にはこのような情景を思い浮かべると思う。
人が自分の見ている視界は現実であるということを肯定した上で、これまで得た知識によって視界を理解し、認識した時に初めて風景は存在する。
私の絵にモチーフはなく、〝色や形の配置とそれ以外の空間〟により構成されている。
人が風景として認識する前から存在する〈無形の風景〉を私たちが見ることは決して叶わないが、小さな要素により構成された画面は、その風景へとつながっているのではないか。
私たちが個別にもつ言葉を超えた視界に映る万物のイメージが、そこには立ち現れるのではないだろうか。
僕が描いているのはこれまでに見た風景のイメージを摘み取ったものだろう。
風景ではあるが、そのフォーカスの度合いは鑑賞者によるところである。
風景の中にある一つのオブジェクトにフォーカスするのであれば、それはモノになる。
ただ重要なのは、その先に続くのはまた風景だということだ。