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Naoyuki Takagi exhibition「徳島」
EXHIBITION
Naoyuki Takagi exhibition「徳島」
2021年2月、雪が降り頻る中、私は石尾神社を目指して車を走らせていた。
徳島には修行者が集まる剣山がある。

石尾神社はその修行者が剣山に登る前に身を清める場所で、深い山の中に鎮座している。

車がやっと一台通れるような険しい山道を進むうちにどんどん雪が深くなっていき、他の車の通った跡もなくなってきて、これはまずいな、と思った矢先、ちょっとした登りで車が動かなくなってしまった。

助けを呼ぶにも人が来る気配なんて全然ない。とりあえずネットで対策を見てみようと思ったが、スマホは圏外。

しばらく途方に暮れてしまった。

気がついたら雪は止んでいて、日差しが出てきていた。

前に進めないなら来た道をバックで進めないかと考え試してみると、うまくいって車が動いた。
でもこのままずっとバックで戻るのは難しい、なんとか車を回転出来ないかともう一度車を動かしてみると、うまい具合に前輪を軸に車がスルスルと180度回転した。

奇跡的に難を逃れたことに少し興奮しながらそのまま来た道を進んで行くと、目の前が開けた場所に出会った。

そこから見る風景は絶景だった。

私は外に出て、山合いに降り積もった雪とそこに降り注ぐ日差しの素晴らしさに感動した。
誰もいない。鳥や動物の声しか聞こえない。なにか物語が始まりそうな風景だった。
神聖な山の気配の中、この美しい風景に出会えたことに、目に見えない力を感じずにはいられなかった。

今回の展示では、造形作家の柳さんに額の制作をお願いしました。 

「暮らしの中の豊かさを育む」、というコンセプトで制作される柳さんの作品は、素材を活かしたシンプルなつくりのなかに、丁寧で繊細な手仕事の温もりが感じられます。

我が家には、柳さんに制作していただいたテーブルとイスがあります。
機能的であり、毎日の生活に優しく寄り添ってくれる存在でもあります。

奇跡的に出会った徳島の山の風景が、日常の中で長い時間を共に過ごしていける柳さんの作品で額装をすることで、ずっと心に留めておける特別な作品になっていると思います。

高木直之
PROFILE
高木直之 / Naoyuki takagi
1978年東京生まれ。
スタジオ勤務、フリーアシスタントを経て独立。
コマーシャル撮影等を行いながら、作品制作を続けている。

【Exhibitions】
Solo
2012 「Architectron」in Fuji Photo Salon, Tokyo                       
2017 「Architectron2」in QUIET NOISE
2018 「kami」in Acutus aoyama
2020 「fractal」 KYOTO MUSEUM OF PHOTOGRAPHY Gallery Japanesque in Kyoto
2021 「進化」 at HONEN-IN in Kyoto

Group
2013 SEOUL PHOTO 2013
2015 fotofevere2015 in Paris

OTHER
2020 hotel plaza Osaka in Osaka

Web : http://naoyukitakagi.com/外部リンク
Instagram : https://www.instagram.com/naumantakagi/外部リンク