CANDLE CAFE & Laboratory ΔΙΙ

愛甲次郎 / 柿坪満実子 「an brace」
EXHIBITION
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愛甲次郎 / 柿坪満実子 「an brace」
「an brace」 は”brace”を 「抱擁する」 という古フランス語由来の語義に⽴ち返り、抱擁が起こらない/起こりえない状態に着⽬する。
この展⽰における”an”は抱擁が差し向けられないこと、あるいは誰にも向けられないことを⽰している。

愛甲は 「何かがそこにいた痕跡」 を描こうとする。 それは、 かつて存在した誰かへの応答であると同時に、今ここにいないことを受け⽌めようとする営みでもある。

柿坪はテラコッタの持つ脆さや、 時間による⾵化の過程をそのまま可視化する。
包まないことで寄り添う前の距離感を空間に残している。

「an brace」は抱擁の不在そのものに⽬を向けることで、包まれないこと、あるいは寄る辺のなさを肯定するための場である。

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本展はTAKU SOMETANI GALLERYとの同時開催となります。
作品との対話が主のギャラリーという場での展示、様々な人々が交流する場であるカフェという場での展示を行き来し楽しんで頂けましたら幸いです。
https://takusometani.com/外部リンク
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「em brace」 at TAKU SOMETANI GALLERY
2025.6/13(金)-6/29(日)

本展は2⼈の作家がそれぞれの⼿法で形の無い存在に向き合い、 包み、 ⽀えようとする試みである。

愛甲は⿇紙に鉛筆や墨など繊細な素材を⽤いて、⼈の内⾯に潜む脆さや傷つきやすさを描き出す。 ぼんやりと浮かび上がる肖像の輪郭に寄り添う墨は、 消えゆ
く存在の記憶を留め、表情の中⼼を⾛る線は⼈物の曖昧さを印象づける。

柿坪は主に記憶や感情といった内的体験を起点とし、曖昧なイメージを元に制作している。 テラコッタの脆さに綿や布の包容性を重ねることで、 記憶や感情、
あるいは「誰かの⾯影」といった⾮在のものに物質的な形を与えようとしている。

“embrace(抱擁)”という⾏為は、触れることのできないものにそっと輪郭を与えるような、静かな応答である。
PROFILE
愛甲次郎 / jiro aiko
愛甲次郎 / jiro aiko
画家。東京都生まれ。

2019
・りんご音楽祭 ポスター アートワーク提供
・「それぞれのパーティ/かまわぬ」
・小林直博、愛甲次郎合同展
・GALLERY X BY PARCO SHIBUYA
・個展「覚束なさへ」CANDLE CAFE & Laboratory △ll

2020
・個展「No.34」CANDLE CAFE & Laboratory △ll

2022
・個展「湯煎するように」CANDLE CAFE & Laboratory △ll
・個展「fragments」銀座 蔦屋書店
・個展「小指の抱擁」CANDLE CAFE & Laboratory △ll

2023
・個展「だいじょうぶ。」 MAT
・グループ展「UNLOGICAL 06」MONO.LOGUES
・個展「ピアニシモな鎧」 TAKU SOMETANI GALLERY

2024
・個展「誰かが自分のために祈ってくれるということ」CLEAR GALLERY TOKYO
愛甲次郎 / jiro aiko
柿坪満実子 / Mamiko Kakitsubo
●展示歴
2020
・グループ展 「 WALLAby /ワラビー」GINZA ATRIUM GINZA SIX 銀座蔦屋書店

2021
・第24回グラフィック「1_WALL」展 (Guardian Garden /東京)

2022
・「UNLOGICAL 03」 (MONO.LOGUES /東京)
・「ANB Open Studio vol.2」 (ANB Tokyo /東京)
・個展「面影を置く」 (gallery BLUE 3143 /東京)
・「風の目たち/The eyes of wind Vol.1」 (16 Pavle ingorokvaSt /トリビシ)
・「コミテコルベールアワード2022 -The beauty of imperfection- 展」 (藝大美術館)
・「Platform 29.8」(ANB tokyo / 東京)

2023
・「今や光にすかしても」(roll / 東京)
・「京都×アートプロジェクト」(京都)
・個展「ただ思い出したいだけ」(gallery BLUE 3143 /東京)
・「バグスクール:うごかしてみる!」(アートセンターBUG/東京)

2024
・個展「それは、あなただった。」(TAKU SOMETANI GALLERY/東京)
・個展 「そのひと」(Gallery BLUE 3143/東京)

●受賞/奨学金
2019
・東京藝術大学「久米桂一郎奨学基金」

2021
・第24回グラフィック「1_WALL」 ファイナリスト

2022
・コミテコルベールアワード グランプリ

●掲載
・2023 文芸誌『MONKEY vol30』スティーブン・ミルハウザー「影劇場」扉ビジュアル